20日夕方、JR山手線の電車内でスマートフォンを充電していたモバイルバッテリーから火が出て所有者の女性が手にやけどをするなど、乗客5人が軽いけがをしました。この影響で、山手線は内回りがおよそ2時間、外回りがおよそ1時間にわたって運転を見合わせました。
警視庁やJR東日本によりますと、20日午後4時すぎ、新宿駅と新大久保駅の間を走行していたJR山手線の内回りの電車内で、スマートフォンを充電していた乗客のモバイルバッテリーから火が出ました。
火はまもなく消火器で消し止められましたが、所有者の30代の女性が手にやけどをするなど、乗客5人が軽いけがをしました。
この影響で、山手線の内回りはおよそ2時間、外回りもおよそ1時間にわたって運転を見合わせました。
内回りでは、一部の乗客が線路上に降りたため最寄りの新大久保駅まで誘導する対応をとったということです。
また、中央線や埼京線などほかの路線も運転を見合わせましたが、順次、再開しています。

20日午後4時ごろ、煙が出たJR山手線の車両に乗り合わせたという男性が撮影した映像です。
映像からは袋状のものから白い煙が出ているのが確認できます。
乗客と見られる人が消火器を使って消火を試みる様子も見られます。

映像を撮影した男性によりますと電車が新宿駅に到着する前に人の叫び声が聞こえて、様子を見に行ったところ袋から煙が出ていたということです。
男性は「最初は誰かが刺されたのかと思って驚きました。手提げ袋に入っていたモバイルバッテリーのようなものから煙が出ているように見えました」と話していました。
近くにいた男性 “ドミノ倒しのようになり 命の危険感じた”
モバイルバッテリーから火が出たとき、すぐ近くにいたという21歳の会社員の男性がNHKの取材に応じました。
男性によりますと、所有者の女性の隣に座っていたところ、女性のバッグから何かが噴き出したあと炎が上がり右腕に軽いやけどをしたということです。
当時の状況について男性は「炎が上がったあと、女性はバッテリーからスマートフォンを外したので、バッテリーだけが燃えていました。それを見た乗客たちが冷静に車内の消火器を使って火を消しました。状況がわからない人たちはパニックになっていて、周りではドミノ倒しのようになっていて、命の危険を感じました」と話していました。
駅ではモバイルバッテリーの“安全性”考える声も
JR山手線がおよそ2時間にわたって運転を見合わせた影響で、新宿駅ではう回して目的地に向かう人や運転再開を待つ人たちで混雑しました。
電車を乗り継いで新宿駅まで来たという19歳の専門学校生は「山手線がとまってしまったのでほかの路線を使って来ました。私もモバイルバッテリーを使っているので、充電できないなど何か異変を感じたら買い替えを考えないといけないと思いました」と話していました。
別の19歳の専門学校生は「発火したときの影響が大きいので、安さではなく、安全性がきちんとしたメーカーのものを使いたいです」と話していました。