岐阜県のリニア中央新幹線の工事現場で水が湧き出し、周辺で井戸の枯渇などが起きている問題をめぐってJR東海は3日夜、住民説明会を開き、安全上のリスクがあるとして、湧き出す水を止める工事の計画を取りやめることを明らかにしました。
これに対し、住民からはさらなる対策の検討を求める意見が出されました。
岐阜県瑞浪市大湫町ではおととし12月以降、リニア中央新幹線のトンネルの工事現場で地下水が湧き出し、周辺で井戸が枯渇したり、地盤が沈下したりしています。
こうした中、JR東海は3日夜、非公開で住民説明会を開きました。
JR東海によりますとこの中で湧き出す水を止めるための工事を進めても地下水の水位は戻らないうえ、トンネルが損傷するなど安全上のリスクがあるとして、この工事の計画を取りやめることを明らかにしたということです。
そして、今後は新たな井戸を掘るなどして生活用水を確保するほか、地盤沈下の影響を受けた住宅などの補償を行う方針を説明したということです。
これに対して、住民からは「水位を回復させる方法をもっと検討して欲しい」などとする意見が出されたということです。

説明会に出席した瑞浪市の水野光二市長は「住民から『なるほど』という理解までは得られず残念だ。きょうの説明では不十分で、しっかりとした根拠を示すべきだ」と述べました。